明日の記憶
広告会社の営業マンとして働く雅行は、 大きなプロジェクトを任され仕事は順調、 娘の結婚も控え、多忙な日々を送っていた。 50歳を目前にした頃、原因不明の体調不良に襲われ、 クライアントとの重要な打ち合わせを忘れる、 同じものを何度も買って帰るなどの症状が現れる。 心配した妻になかば強引に連れて行かれた病院で、 雅行は医師から「若年性アルツハイマー」の診断を受ける。 「若年性アルツハイマー」、誰にでも起こりうる可能性がある病、 「ゆっくり死んでいく」という恐怖に主人公と妻は向き合っていく。 実際はきっともっと壮絶なのだろう。 けれどこれは映画なのだから、ひとすじの光があっていい。 比較的テンポよく進んでいく前半と、 在宅となってからの後半との対比が主人公の心情を映していて、 病そのものよりもっと深いところ、「生きる」ことについて考えさせられる。 そして、家族であるということの重さと大切さと。 樋口可南子さんは『阿弥陀堂だより』(後日、番外編でUP予定)を観て、 なんて素敵な女優さんなんだろうと再認識したのだが、 この映画でも美しくて聡明で繊細な演技をみせてくれる。 渡辺 謙さんの演技に迷いがないことはもちろんのこと、 彼自身が原作を読んで映画化を切望したこの作品、 まさに渾身の一作、と言っていいと思う。 とても丁寧な作品である。 2007.3.6 DVDにて 私的☆印 ★★★★★ 2006年公開作品 公式サイト ほぼ日イトイ新聞 『明日の記憶』とつきあう。 【監督】 堤 幸彦 【キャスト】 渡辺 謙 樋口可南子 #
by satsukiloves
| 2007-03-06 01:00
| ア行
ギミー・ヘブン スタンダード・エディション 25,000人にひとり、といわれる、 五感のうち、ひとつの感覚に附随して 別の感覚が引き起こされる“共感覚”。 盗撮サイトの管理人・新介は生まれつき “共感覚”という特異な性質を持っていた。 ある日盗撮カメラを設置した女性が 謎のマークを残し失踪したことから事件は始まる…。 私の見ている「赤」は、あなたが見ている「赤」と同じ色だろうか。 そんなことを考えたことがある。 「赤」という共通認識は持っているけれど、 五感そのものは誰かと共有することが出来ない。 そのことを思い出した。 江口さんとあおいちゃんに惹かれて観てみたのだけれど、 ちょっと期待のほうが大きかったかな。 このシーン長すぎるな、と感じる場面が何ヶ所かあって、 全体がもっとコンパクトにまとまっていたらよかったな、と。 エンディングシーンの映像の美しさが際立ち、 切なさが込み上げてくるだjけに、 共感覚者の痛みを引き金とするには、 事件の動機がいまひとつわからなかったことが残念。 江口さん扮する新介の痛みが描かれていなかったのは、 「対比」させるためだったのかなぁ。 でも、「共感覚」というものを初めて知って、 想像力を駆り立てられました。 2007.3.4 DVDにて 私的☆印 ★★☆☆☆関連ページ 【監督】 松浦 徹 【キャスト】 江口洋介 安藤政信 宮﨑あおい 石田ゆり子 松田龍平 小島聖 鳥肌実 #
by satsukiloves
| 2007-03-04 02:00
| カ行
キンキーブーツ 父親の突然の死により、 倒産寸前の靴工場を受け継いだチャーリー。 なんとか工場を守りたいと奮闘する彼は、 偶然ドラッグクイーンのローラと出会ったことで、 彼らのためのセクシーなブーツを開発しようと思いつく。 素敵ムービー! 絶対オススメの素敵ムービーです。 オープニングで、 「あ、この映画、私絶対好きだな」と感じて、 最後まで裏切られることなく観せてくれました。 キャラクターが立っていてとてもいい。 気弱なチャーリーとドラッグクィーンのローラ、 互いに弱さを克服しながらひとつの目標に向かっていく時、 周囲の者にも変化が起こり、あたたかい気持ちになる。 エンドロールでは頬がゆるんでる自分に気づきます。 『リトル・ダンサー』や『ブラス!』がお好きな方ならば、 きっと気に入ること間違いなし。 2007.3.4 DVDにて 私的☆印 ★★★★★ 2005年/アメリカ・イギリス 公式サイト 【監督】 ジュリアン・ジャロルド 【キャスト】 ジョエル・エドガートン キウェテル・イジョフォー サラ=ジェーン・ボッツ ユアン・フーパー #
by satsukiloves
| 2007-03-04 01:00
| カ行
ゆれる
東京で成功への道を歩む写真家・猛。 母の法事で故郷に戻った翌日、 家業を継ぐ兄と、幼なじみの智恵子とともに 懐かしい渓谷を訪れる。 そこで起こったひとつの出来事、 それは事故なのか、事件なのか。 ゆれるのは吊り橋と、そして弟と兄の人生…… なんという脚本力。 繊細でいて大胆な絵の切り取り方もひどく印象に残る。 物語全体の構成が素晴らしい。 オリジナル脚本にこだわるという西川監督、 注目されるのももっともだろう。 物語はとつとつと流れていくのだけれど、 気づくと途中何度か息を止めて見入っている自分に気づいた。 特にラストシーンは秀逸。 記憶に残るワンカットになると思う。 そして、いいなあ、香川照之。 私、大好きな役者さんです。 兄・香川VS弟・オダジョー、 同じカットにいるだけで静かな火花が散っているようだった。 西川監督という新しい才能に出会えたよろこびを感じた一本でした。 2007.3.3 DVDにて 私的☆印 ★★★☆☆ 2006年公開作品 公式サイト 【監督】 西川美和 【キャスト】 オダギリ・ジョー 香川照之 伊武雅刀 新井浩文 真木よう子 蟹江敬三 #
by satsukiloves
| 2007-03-03 01:00
| ヤ行
亀は意外と速く泳ぐ デラックス版 単身赴任中の夫が気にかけている亀に餌をやることだけが日課の 平凡な主婦スズメ。 ある日、「スパイ募集」の張り紙(?)を見つけ応募すると即合格。 彼女に与えられたミッションは 「できるだけ平凡に暮らすこと」だった…。 「くっだらな~い」と何度口に出したことか。 ところがまたまたハマってしまったのだ、三木ワールドに。 『ダメジン』もそうだったんだけど、 最初「アウトだよ、これ…」と思ったそのあとから、 じわじわそのゆるゆるな世界に入っていってしまい、 気づけば胸がジーンとしてたりするんだな。 今とても、 「普通に暮らす」ってすごく素晴らしいことだよなぁって思う分だけ、 平凡な日々の中の小さな出来事も、 実はとってもキラキラしてたりするのかもって感じさせてくれました。 おもいっきり脱力系のこの映画もやっぱりお気に入りに追加です。 他では観たことないエキセントリックな蒼井 優ちゃんもこれまたナイス! 変わらず脇が皆さん面白すぎでした。 本作のMVPは岡本信人さんにあげようっと。 2007.2.27 DVDにて 私的☆印 ★★★☆☆ 2005年公開作品 【監督】 三木 聡 【キャスト】 上野樹里 蒼井 優 岩松了 ふせえり 要潤 松重豊 村松利史 緋田康人 温水洋一 松岡俊介 岡本信人 嶋田久作 伊武雅刀 #
by satsukiloves
| 2007-02-27 01:00
| カ行
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おことわり
映画批評ブログではありません。
私の映画日誌です。 不定期UPでぼちぼちと。 ★の数は、私の好みか否かで増えたり減ったり、しかも淀長さん的甘さなので、あまりあてにはなりません。だまされてもいい、と思うほど週末を持て余した時のご参考になればなによりです。 blog rankingに参加しています。へぇ~と思ったらワンクリックをお願いします 本館ブログはこちらです。 すきな、うたを、うたう タグ
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