カテゴリ:サ行( 3 )

『スクラップ・ヘブン』

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スクラップ・ヘブン

デスクワークばかりの退屈な日々にうんざりしている
警察官のシンゴ。
転属願も上司の机の引き出しにしまわれたまま。
ある日、バスジャックに巻き込まれたシンゴは、
同じバスに乗り合わせたテツに刺激を受け、
世の中を浄化すべくある事業を開始する。





世の中には想像力が足りない。
想像力があれば世の中も自分自身ももっとマシなはず。

どこか他力本願なシンゴ(加瀬 亮)が、
自由奔放なテツ(オダギリ・ジョー)に羨望に近い気持ちを抱いた時、
世の中を変えることが出来るのだろうか。

「若さ」というの勢いで走り抜ける彼らが、
気づけば思いもよらぬ事態を招くことになり、
破滅へと疾走していくテンポのよさを助けるのは、
やはりオダギリ・ジョーのしなやかさだと思う。、
「役者」とくくってしまうのはあまりにもったいない。
このアーティストやはりただものではない気がする。
加瀬亮くんのなんでもなさげな芝居との対比が、
私には小気味良かった。

栗山千明演じるサキがなかなか魅力的なキャラだけに、
「復讐」を企てる彼らとの関係が希薄なのが残念だし、
もっと彼女の内側を見たかったような気がする。

世界を一瞬で消す方法。
ひとりの人間に出来るのは多分たったひとつだけなんだ。


2007.3.10 DVDにて
私的☆印  ★★★☆☆

2005年公開作品
公式サイト
【監督】 李 相日
【キャスト】 加瀬 亮 オダギリ・ジョー 栗山千明

 
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by satsukiloves | 2007-03-10 01:00 | サ行

『17歳のカルテ』

d0107263_2010077.jpg17歳のカルテ


夢と現実が混乱したことはある? 
1967年。作家になることを夢見る17歳のスザンナ・ケイセンは、
アスピリンを大量に飲んで自殺を図り、精神科に入院。
自らの感情にとまどい、揺れ動くスザンナ。
しかし、病院で出会った風変わりな女性たちとふれあい、
彼女は自身の道を取り戻していく。





観よう観ようと思いつつ、半ば意図的に観なかった映画を、
ここで観てみた。
自身の体験を綴った回想録が原作。
退院から25年後に出版したのだそう。

彼女も彼女たちも、
社会の中では上手く生きられないけれど、
でも、もがいて苦しんでいた。
投影させることが出来るかといえばそれは無理だけれど、
ウーピー演じる看護士さんが言う、
「安住してはダメ」という台詞がひどく心に残った。
誰もが世界を変えられるのかもしれない。
誰かと関わることによって。


2007.2.20 Movie Plusにて
私的☆印  ★★☆☆☆

2000年/アメリカ
公式サイト
【監督】 ジェームズ・マンゴールド
【キャスト】 ウィノナ・ライダー アンジェリーナ・ジョリー
        ウーピー・ゴールドバーグ バネッサ・レッドグレーブ
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by satsukiloves | 2007-02-20 01:00 | サ行

『それでもボクはやってない』

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ある青年が通勤電車の車内で痴漢に間違われ、
その後1年にわたる裁判を経験していく姿を通して、
日本の刑事裁判制度の問題点を明らかにする
“とことん社会派”な作品(公式HPより)


無罪≠無罪。
これが本当にこの国の司法の現実なら、
なんてコワいこと。
この映画では「痴漢行為」という、
日常の生活の中で起こりうる冤罪を取り上げているが、
果たして、それ以外の犯罪行為ではどうなんだろう。



「冤罪」に屈しない「被告人」(だって、やっていないのだから)と、
それを支える人々が求め続ける「真実」。
そして、それを市民である彼ら自身が自ら立証することで、
この裁判に立ち向かっていく。

11年ぶりにメガホンを取った周防監督が、
3年以上の取材を経て作り上げたというこの映画。
確かに以前の作品とは毛色が違うけれど、
ほとんどが法廷シーンでありながら、
143分の長丁場をぐいぐいひっぱり一気に観せる、
やはりエンタな監督なんだろうと思う。
リアルを追求したとはいえ、やっぱりこれは映画なのだ。

私は「台詞を言ってないっぽい」お芝居をする役者さんに惹かれるので、
(いまやメジャーになりつつあるけど)加瀬 亮くんの起用は、
正解だったんじゃないかな。

あと数年で導入が決まっているというのに、
お上がなかなか親切に解説してくれない裁判員制度を前に、
「日本の裁判の現況」に対して、こんな一石を投じる映画がある。
しかし、それはまた、ネームバリューのある監督だから出来たことなのか、とも。

女性の立場からして、痴漢は許せん。絶対に。
卑劣で理不尽で、こっちからしたら死刑相当。
そのくらい許せん行為なのだ。

この映画を観て、女性が被害に対して声をあげることを、
躊躇しないでほしいとも思い、
だからこそ、この国のしくみの矛盾点が、
国民の参加によって改善されるのならば、それはいいことなんだけど。

問題提起な一本でした。
映画館で観られてよかった。


2007.1.31 平塚シネプレックスにて
私的☆印  ★★★☆☆

2007年公開作品
公式サイト
【監督】 周防正行
【キャスト】 加瀬 亮 役所広司 瀬戸朝香
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by satsukiloves | 2007-01-31 01:00 | サ行